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理事長 挨拶

理事長

当組合は、デザイン産業(事業所)の地位向上を目指す事業、新市場の開拓やデザイン成果品の「商品化」を目指す事業、組合員の経営環境の向上を目指す事業などを共同で実施、その活動によって、デザイン産業の未来を拓き、創造的意図をもってわが国の21世紀型産業経済を築く新しい原動力となることを掲げて設立しましたが、今日、組合も大きな時代の変わり目を迎えております。

近年、デザイン事業者(事業所)の活動領域も多様化してきております。デザイン事業者は日本の 産業経済政策ではクリエイテイブ産業に属しており、その産業内でも重要な位置を担うことができる専門分野で機能的で活動領域が広い職能といえます。新たな商品価値をつくり出し、新市場の開拓、国際競争を勝ち抜くためにデザインは有効に機能する打ち手です。日本人の可処分所得は1998年の49万5887円(2人以上の世帯の勤労者世帯年平均1カ月の収入・支出の推移)をピークに減少しており可処分所得額は、20年前の水準とほぼ同程度にまで落ち込んでおります。生活に潤いや楽しさ、便利さを与えるデザインがその力を発揮するシーンや消費も減少傾向が続いております。また、デザイン業(デザイナー)と関わりの深い日本の製造業の売上も大きく減少しています。アジア諸国からは日本製品への高い評価(時代を切り開いていく感じ、カッコいい・センスがいい、明確な個性や特徴のある、楽しい、活気や勢いを感じる)という高イメージを受けていながら、製造業の輸入超過が顕著に拡大しています。経済状況は過去20年間停滞したままです。

一方、付加価値の源泉としてデザイン産業政策に積極的な英国や韓国の国家戦略にみられるデザイン産業は製造業の売上高に大きく貢献し、次世代の人材輩出にも効果が見られます。

今、日本全国では地域ブランドの創造や産地競争も激化しています。当組合は日本の各地でデザインを生業として活躍する仲間を1社でも多く集めて、その活動の中で蓄えられた実践・実業のノウハウをデザインと経営・デザインの国際化、デザインと教育などの今後の活用に活かし「デザインの真の役割は何か」といった永遠のテーマに取組んでいきたいと思います。今年は組合員数の増加、地域デザイン事業者幹事制の導入、全国地域デザイン交流会の開催、地域ブランド委員会などの活動を計画しています。また、デザイン保護の点からは、工業所有権上の権利や著作権上の権利そして採用されなくてもそれが知的価値にあたるもの等デザイン経営で不可欠となる創作保全の視点、「デザインの価値」PRへの取組、知的財産流通の等、デザインビジネスを成功に導く基礎となるべき商取引方法などを研究する活動も必要だと感じています。デザイナーが創造するアイデアには無限の可能性(価値構築資源)が秘めていますが、デザインと契約の点においては未だ万全ではなく個々の実業の経験の叡智をより多く集めてビジネスに役立つ雛形づくりをすることも重要と思っています。

今後、日本デザイン事業協同組合は全国各地でデザイン及びクリエイテイブな事業を生業とした多くの仲間に呼び掛けをし、一社でも多く参加していただけるような活動に努める所存です。あなたの積極的な参加を組合員一同心からお待ちしております。

日本デザイン事業協同組合

代表理事・理事長  植木 誠

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